京都アニメーションが手掛ける新作「聲の形」がついに公開、少年マガジンで連載されベストセラーの大今良時先生の原作を「けいおん」「たまこラブストーリー」を手がける山田尚子監督が映画化という期待の作品です。
DSC05042_R

場所はMOVIXさいたま、さいたま新都心駅からすぐのショッピングモール内にある映画館で「けいおん」のライブが行われたさいたまスーパーアリーナと近いのもなんとなく感慨深いです。

映画は封切られたばかりで原作ありとはいえ細かなレビューは避けます。しかし間違いなく傑作であり、原作全7巻を2時間ちょっとに凝縮してあるだけあってテンポもよく、原作を全く見ていない方にもすすめられる作品になっています。
映像の美しさも今大ヒット中の「君の名は。」とはまた違った美しさで溢れていて今年のアニメ映画の中でもトップクラスの作品なのは間違いありません。
耳の聞こえない障害持ちの少女と過去にいじめていた主人公、取り巻く友人や家族などの葛藤や友情が描かれていて一歩間違うと暗くなってしまいそうな題材ですが伝えたい、つながりたいという思いが紡ぐ物語は見終わったとき心が澄みきったような独特の感覚になれました。

さて舞台挨拶です。
この会場で登壇されたのは主人公の石田将也役:入野自由、西宮硝子役:早見沙織、石田将也(小学生)役:松岡茉優、監督:山田尚子の4名。

同じ日の新宿だと登壇者が増えてライブビューイングもされたりメディア収録があったりですが一番最初の舞台挨拶なので埼玉を選びました。

4名が拍手とともに登壇し挨拶、松岡さんは特に緊張しているのか小声でした。

「映画の初日を迎えて」

入野:この会場の空気感、それが全てです。
早見:見て感じていただいたとおりです
松岡:赦されたと思いました。
山田:見ていただいたままで何か伝わっていたらと思います。

字で見るとなんだか謝罪みたいな思いですがそういうわけでは全くなく、安っぽいお涙頂戴の感動などでは決して無い満たされた感動のような雰囲気が会場内に充満していたのです。

「自身のキャラクターを演じて」

入野:つながりたいのにつながらない、つながれないというディスコミュニケーション。
監督から将也は大きな小動物が怯えている感じで、という演じ方を言われた。矛盾してるけど凄い分かる。

早見:硝子は聖人君主ではなく必死に生きている女の子、周りを意識しながらも一生懸命、女の子っぽいけど本能に忠実なところも。

松岡:声優でない自分が選ばれたのは話題作りや事務所の力でなく監督直々のオファーです。監督のせいにするわけではなく私の不徳の致すところです。(入野:すっごい良かったのになんで謝罪会見みたいになってるの(笑)
今回で声優は3度めだけど、はじめて糸口が見えた気がします。
監督から将也は純粋無垢なヒーローと言われたが自分ではただのいじめっ子にしか見えなかった。
監督に言われて考え、見直してその意味に気づいた。

(このあたりから松岡のテンションが急に上がっていく)

監督はキャラクターに「たとえあだ名」をよくしてくれて、私は川井ってキャラが敵なのか見方なのか何考えてるかわかんないときに「川井は生まれながらのシスターなんです」と言われてバシーン!ときたんです。
生まれながらのシスター、普通のシスターは裾がはだけたりするとはしたない・・・と戒めるけど生まれながらなので裾がはだけようがそれが何か?といった雰囲気、分かります?これが生まれながらのシスターなんです!(凄いテンション)

「松岡を抜擢したポイントは?」

山田:好きな作品ですごい好きな役をやってて気になっいたのでダメ元でオファーしてみました。
司会:それは・・・ファンってこと?
山田:そうですね(笑)今見てても分かるように急にスイッチが入る面白い人で私と共通言語がつながってる感じ。
松岡:ハンバーグって感じって言われてハンバーグ!そうか!って

司会:・・・後のお二人はわかりますか?

入野:分かります。ハンバーグは・・・わからない(笑)
早見:(間があって)私もわかります。
司会:なんか間がありましたよ(笑)

(追記:監督が松岡さんに小学校時代の将也はハンバーグって感じでお願いします。ハンバーグって叫んでみてください。とアドバイスしたときのことらしいです。)

入野:監督は役者の想像力を掻き立てる例えが凄くうまい。
松岡さんは普段と違う現場で懸命にもがいてる感じがあってる、なれてないからこその表現が小学校時代の将也に凄い合っている。

「制作にこだわったポイント」

山田:石田将也の物語で悩みに寄り添って将也を包む美しい世界をちゃんと構築することです。
入野:僕は最後のシーンの自然と満たされていく感じが好きなんです。泣いているのに笑っているような不思議な感覚。
山田:あれは将也が生きてく準備がやっと整った、世界に生まれたシーンなんです。

「最後に観客の皆さんに一言」

松岡:大好きな映画です。これを見るとあったかい気持ちになれると思うので大事な人や家族、落ち込んでいる方、悩んでいる方とも一緒に見て欲しい。

早見:最後のシーンで自分自身ももう一度生まれることのできるような・・・人は何度でも生まれることができるんだと感じ、生まれるときには声を上げる、ということも聲の形とリンクしていて生きるきっかけになる映画になっていると思います。

入野:原作から見るとあんなシーンも見たかったというのはあるけど、今回は将也のシンプルに伝えたい!という思いを感じて欲しい。、

山田:作品の持っている深い愛と力をお届けできるようにもがきました。この映画を見て、人を赦したり赦されたりするきっかけになれば幸いです。


ということで映画「聲の形」初日舞台挨拶レポでした。
この映画、難しいことは言わないから取り敢えず見てみて欲しい。きっと心に響く何かが感じられると思います。


今回の映画で購入した物販
DSC05031_R

パンフレットは32ページほどで監督や声優などのコメントや対談などがたくさんあり他の映画のパンフレットよりも読み応えがあります。
DSC05038_R
DSC05039_R
DSC05040_R
DSC05041_R
バッグチャームには硝子のレリーフプレートと英語のロゴ
DSC05034_R
にゃんにゃん倶楽部の猫ポーチは例のロゴがぽいんと(笑)
DSC05037_R